「経営者になるためのノート」を読んだ
- 作者: 柳井正
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2015/08/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (4件) を見る
「プロフェッショナルマネージャー」を読んだ - takus の記事でも言及していた、社内マネージャー研修の推薦図書になっているので、この本も読んで見た。ファーストリテイリングの柳井正氏が経営について語った本。プロフェッショナルマネージャーに影響を受けたこともあってか、経営する中で得た教訓などを具体例とともに書いてあって読みやすい内容でした。
このノートに記載したことは、私自身が経営をやりながら、失敗というたくさんの授業料を払いながら、「やはりこういった考え、こういったやり方が大切だな」と感じ、実践の中で確信してきたことです。
総じると、使命感を元に高い目標をたてた上で、その成果を追求し、自分たちが本当によいと思うものをお客様に提供し続けて、周りとの信頼関係を高めていく、という、とても当たり前のことを愚直に続けていくことが大事で、そこに近道はなさそうな気がします。改めて言語化されたものを読んでみると、意識してできていることもあれば、全然できてないこともあり、定期的に立ち返りながら当たり前にできるようにしていきたいです。
以下、読書メモです。
経営者とは
- 経営者とは「成果をあげる人」
- 成果とは「約束したこと」
- 周りにやると宣言したことに固執してそれをなんとしてもやり遂げる
- それによって顧客、社会、株式市場、従業員から信頼されて会社が存在し続ける
- 会社の使命と成果が結びついていること
- 社会における自分たちの存在意義、使命に基づいたもの
- 使命にはゴールがないけど、ゴールを目指して追いかけ続ける
- 例: 「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」
- 経営は「実行」
- いいアイデアを考えても実行できなければ意味がない
- 実行して成果を上げる上で必要な四つの力がある
- 変革する力
- 儲ける力
- チームを作る力
- 理想を追求する力
ということで、この 4 つの力についての説明が続きます。
変革する力
- 目標を高く持つ
- 目標が高くないと発想に制約が生まれてイノベーションが生まれない
- 基準を高く持ち、妥協とあきらめをしないで追求する
- 絶対に妥協せずに「お客様にとって本当によい」と思える質の基準を追求する
- 自分の物差しでなく。「世界で一番」の質の高さを目指す
- 完璧を目指さずに成功するよりも、完璧を目指して失敗するほうがよい
- リスクを恐れず実行し、失敗したらまた立ち向かう
- 最初から安定志向で、安定成長してる会社は存在しない
- リスクを恐れる必要はないが、リスクは計算する必要がある
- リスクを取ってやると決めたことは一直線に結果が出るまでやりきる
- 厳しく要求し、核心をついた質問をする
- 出てきた答えが顧客の視点からみて足りなかったら厳しく要求する
- もの分かりのいい上司からはイノベーションは生まれない
- 部下の成長機会を奪っている
- どうやって厳しい要求をするか?
- 厳しく要求して本当にやってもらおうと思ったら、部下に「君だったらできる」と言ってあげることが必要
- 厳しく要求してやってもらう以上は最終的な責任は上司が全部とるということを覚悟しておく
- 自問自答する
- 自分はできてるだなんて思わない
- 常に危機感を持って行動する
- 「お客様の一番厳しい目で、自分たちを見る」
- 上を目指して学び続ける
- 自分のことに置き換えて学び、学んだことを実践し続ける
儲ける力
- 商売の原点は「お客様のために」
- 大切な三つのこと
- お客様をビックリさせようと思わなくてはならない
- お客様が欲しいと思ってるものを、お客様が想像もしない形で提供する
- お客様の声は重要だが、その一枚上手をいこうとする
- お客様はまだ見たことがない、体験したことがないものを求めている
- 問題点やニーズを教えてもらい、そのプロである我々が一枚上手の解決策を掲示する
- お客様には自分たちが本当にいいと思うのものを作って提供する
- 自分がそれを偏愛できるかどうか、それに尽きる
- お客様をビックリさせようと思わなくてはならない
- 当たり前のことを地道にやる
- 毎日を大切にする。目の前のお客様を大切にする。
- 能力よりも習慣の問題であることが多い。
- スピード実行
- 対応が遅れたら会社にとって致命的ではないかという危機感をもってものごとをみる
- 実行と報告の割合に気をつける。理想は実行が9で報告が1になるべき
- 「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」
- 現場、現物、現実
- 頭の中だけで分かった気になるのは危険
- 常に現実世界に向き合って指示をする必要がある
- 一緒にその仕事をしながら分かることも多い
- 自分で商売を回している実感が、結果や達成感につながり、仕事を面白くする
- 頭の中だけで分かった気になるのは危険
- 集中する
- 「これだ」という大切なものに経営資源を集中する
- 最高の商売は一つの完成された商品だけで大量に売れるような商売をすること
- 最も効率的で最も儲けを生み出す
- お客様は自信がないものを見抜く力がある
- 自信をもって最高基準のものを作ることに集中して、中途半端なことはやめる
- やらなかったどうなるか考える
- やらないことがリスクならやるべきだし、そうでなかったらやらなくてよい
- パートナーやお金も信頼できるところに集中する
- 「これだ」という大切なものに経営資源を集中する
- 本質的な課題解決ができる方法を常に考える
- 準備する
- 計画を作るときに、最も大切なことは成功のイメージ化
- 自分が成功してるイメージをビジュアルとして持っている
- 物語性のあるストーリーになるところまで考える
- 計画を作るときに、最も大切なことは成功のイメージ化
- 成果に固執する
- 最初の計画には必ずしも固執する必要がない
チームを作る力
- 一人でできることなど、本当にたいしたことない
- チームを勝利に導ける人がリーダー
- 信頼関係を作ることが一番大事
- 信頼関係を作るために大事なこと
- 言行一致
- あなたは、言ったこと、約束したこと、思ってることの最大の実践者ですか?
- 首尾一貫
- 信念、大切な価値観、追っかけているもの、こういったものが、ぶれない、変わらない
- 言行一致
- 本当に相手のためを思って部下と向き合う
- 一番いいことを自分の経験や知識を総動員して考える
- 時には「鬼となり仏となる」。それによって部下の未来を明るくするのがリーダーの仕事。
- 目標はしつこく共有して一人一人の責任を明確にする
- 最も大事なことは、このチームがいったいどのような成果を目指すのかを共有すること
- 何度も何度もしつこく伝える
- 一人一人の責任範囲を伝えて、「この仕事は誰の責任なのか」を明確にする
- 最も大事なことは、このチームがいったいどのような成果を目指すのかを共有すること
- 任せて評価する
- できるだけメンバーの意見を取り入れて仕事をする
- 仕事の成果 = 能力 x モチベーションなのでそこに注意する
- 失敗するなら小さく失敗して学習してもらう、将来の大きな失敗をしないように育てる
- 任せたらそれについて評価する
- 期待し、長所を活かす
- とにかく期待する。高い成果を要求するなら、期待の気持ちをセットにする。
- メンバーのことをよく見て、長所を活かして、期待する
- 多様性を認める
- 勝ちたいと誰よりも強く思い、自己変革を続ける
- リーダー自身が先頭に立って挑戦することが重要
- 仕事や人生に対して常に前のめりでいる。周りもそれに着いてきてもらう
- リーダーが自分に課すべき 3 つのこと
- 自分に自分が期待すること、自己変革すること、自己管理すること
理想を追求する力
- 会社にとって一番大切なのは、使命感である
- 長い期間、社会から優秀だと認められている会社はしっかりした使命感に基づいた経営が行われている
- とにかく全ての活動の中心にこの使命感があるべき
- 使命感がもたらしてくれるもの
- 使命感は、責任に通じる
- 使命感は、職業的良心に通じる
- 使命感は、内発的動機を高めてくれる
- 使命感は、あなたを「めげない人」に育ててくる
- 使命感は、あなたのチームメンバーに「方向性」を与えてくれる
- 使命感は、あなたのチームに「優秀な人材」をもたらす
- 使命感は、あなたの会社が何者かを明確にしてくれる
- 使命感は、あなたに「判断基準」を与える
- 使命感を脅かすものと常に戦う