「TEAM OF TEAMS」を読んだ

TEAM OF TEAMS (チーム・オブ・チームズ)

TEAM OF TEAMS (チーム・オブ・チームズ)

  • 作者: スタンリー・マクリスタル,タントゥム・コリンズ,デビッド・シルバーマン,クリス・ファッセル,吉川南,尼丁千津子,高取芳彦
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2016/04/01
  • メディア: 単行本
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元米陸軍の大将でアフガニスタンにおける米軍と多国籍軍の司令官を努めたスタンリー・マクリスタル氏が現地で遭遇したリアルで生々しい戦況をもとに、複雑で変化が早く予測が不可能な 21 世紀に求められる組織像とリーダーシップ像について、3 名の共著者と共にまとめた書籍です。

プロダクトマネージャーに訊く Ep.4:Kaizen Platform 瀧野さん をたまたま見つけて、そこで言及されていて気になったので読んでみました。

本書の狙いは、読者が今日の世界が過去とどう違うかを理解し、それに対して何をすべきかを理解してもらうことだ。

と、冒頭で書いているように、お手本とされていた旧来型のマネジメントがどのような歴史を辿りながら発展してきて、どのような時代の変化によって機能しなくなってきたか、そして、今の時代に適応できる組織やリーダーシップが何かを、アルカイダ (AQI) の戦いというリアルなストーリーやその他の豊富な事例と共に解説していて、腹落ちする内容が多かったです。

複雑で予測不可能な今日の世界

過去の世界は事前の予測と計画によって効率性を求めることがよしとされ、組織構造やマネジメントもその考えをベースとしたものになっています。例えば、単一の工場で製品を生産することを考えると、工程を 1 つ 1 つ丁寧に分解していき、それぞれの工程について最も効率のよいやり方を考え、実行することで効率性を最大化することができます。

一方で、今日の世界はより相互依存的でスピーディーで予測不可能になっています。これはテクノロジーが発達して、様々な状況が複雑に相互依存することが多くなり、ほんの些細な何かが最終的な結果に大きな要因を与えるようになったことが原因です。

複雑系においては、何かについて原因があるにしても、その原因があまりに多く、しかもそれが互いにさまざまな形で直接的・間接的に関連しているため、理論上はともかく、事実上、結果を予測するのは不可能といえる。

このような複雑系においては、ビッグデータでさえも救いの神にならないと本書は主張しています。なぜなら、データは「平均的な」結果をかなり正確に明らかにしてくれる一方で、最終的な結果は偶発的な小さい偏差に影響されるので、正確な予測はできないからです。

人ではなく組織を管理する

過去の世界においては、ある目的を達成するために組織や工程を MECE に分解して、トップダウンのマネジメントで予測と計画をしながら成果をあげていくことが可能でしたが、複雑で予測不可能な世界ではこうしたマネジメントは機能しづらいところか、逆に悲惨な結果を招くこともあるといいます。

英雄的なリーダーの神話

特に全てを把握して、どんな時にも正しい判断をタイムリーにこなせるような「英雄的なリーダー」については存在し得ないと警鐘をならしているのが印象的でした。

1979 年 6 月に NASA が主催したワークショップの参加者はみな、開会挨拶の冒頭での「皆さん、機体はもはや問題ではありません」というフレーズを今でも覚えている。

1978 年頃の航空業界において、機体の安全性が高まったにも関わらず航空機搭乗者の志望者数が 10 年にわたって増加し続けていたそうです。この原因を調べた NASA は、航空乗務員の予期せぬ事態に対応する能力が低下している原因は、機長だけでは対処できないほど機体が精巧で複雑になりすぎたにも関わらず、機長がすべてを管理して対策を立てようとする点だと結論づけたそうです。

これは、スタートアップの経営者やプロダクトマネージャーにも似たような問題を抱える可能性があり、会社やプロダクトの規模が大きくなって一人で全てを管理して対策を立てるのが難しくなる状況になっても、「英雄的なリーダー」像にしがみついて、結果として成長が止まってしまうといったことは起こりがちで示唆に富む内容だと思いました。

透明性の高い情報共有と適切な権限委譲

では、どうすればいいのか?の部分に関して、本書では当たり前といえば当たり前な結論ですが、透明性の高い情報共有適切な権限委譲 が重要だと主張しています。

透明性の高い情報共有

NASA の成功は、組織に関する深い見識を示している。なかでも最も重要なのは、相互依存性と未知のもので形づくられる領域では、状況理解が鍵だという点である。

NASA が、アポロ計画という共通目標を達成するために、情報共有の仕組みを改善してミッションを達成した一方で、ELDO (欧州ロケット開発機構) は、国毎の縦割りで自国内に情報を閉じ込めたことでロケットの接続部に不具合が生じて打ち上げに失敗し続けたというのはよい話でした。

「人とのつき合いや会話が、どんな貴重なものを生み出すかは予想もつかない」

さらにその情報理解に関しても、どういう情報や人が結びつくことで貴重なものが生み出されるかは分からないので、多少は効率が落ちたとしても、全員が意思疎通をしながら進められるような環境を意図的に運用する方がよいとのことです。

適切な権限委譲

私はリーダーの役割の本質について、あらためて考えるようになった。私の承認を待ったからといってより良い結果が出るわけではない。優先すべきは、 時機を逸する前に最善の選択をすることである。

AQI との戦いは情報共有の仕組みを改善することで戦況が良くなっていきますが、ある時に、著者が最終的な意思決定をやらなければならないことが、実行のスピードを妨げていることに気づいたと言います。これを、透明性の高い情報共有の仕組みを作り、意思決定する際の思考の筋道を伝えた上で、自分たちで判断するように命じた結果、明日までかけても 70% しか解決できなかった問題を、今日やることで 90% 解決できるようになったそうです。

特任部隊で我々は、新しいマネジメント手法に加え、自立型のリーダーシップという新しい考え方が必要だと気づいた。上に立つ者の役割は、糸を引いて人形を操ることではなくなり、共感によって文化を創造することになったのである。

上に書いたような英雄的なリーダー像を目指していると、チェス名人がチェスを指すように 1 人 1 人の動きを細かくコントロールするような欲求が生まれますが、新しいマネジメントにおいては、菜園主のように継続的な手入れをしながら自ら育つ環境を作ることしかできないので、そのような生態系をつくって、維持することが求められます。

このようなリーダーシップを 「見守りつつも手は出さない」 という表現で表していましたが、一人一人の人を管理して従わせるのではなく、情報共有と権限委譲できるような組織であり続けることを管理することが大事であると言えそうです。

我々が暮らす世界の質はマネジメントによって決まる

我々にとって最大の問題を解決するために組織(軍、学校、政府、企業)が不可欠なのであれば、そして組織が力を発揮できるか否かがその運営に左右されるのであれば、我々が暮らす世界の質はマネジメントによって決まることになる。マネジメントはこれまで、産業の力を引き出し、人類を月に送り、怪我や病気に苦しむ人の命を救い、戦争の勝敗を決めてきた。そして今、気候変動による複雑で連鎖的な脅威や、開発援助の流れの不安定さ、ネットワーク型のテロといった問題を解決できる仕組みが必要とされている。こうした状況では、人類が進歩を追求するうえでマネジメントが根本的な阻害要因になる。テキサス大の自動運転システムのようにリアルタイムに調整し、適応できるような、時代遅れのメンタルモデルに縛られないマネジメントの仕組みが求められてる。

ここ半年くらいは、マネジメントについて学んだり考えたりする機会が増えていて、それ以外のことをする時間が相対的に減っていたりするわけですが、やはり大きな成果をあげるには色々な能力を持った人が組織として力を発揮できるかにかかっているわけで、その質を高めるための努力は今後も継続してやっていきたいなと改めて思ったのでした。

「インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック」を読んだ

インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック

インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック

Rails Developers Meetup で @igaiga555 さんが紹介していた 「インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック」 を読んでみた。

職場でも家庭でも、何かを教える機会がそれなりにある中で、良い教え方・悪い教え方って何なのだろうというのを体系的に学んでおこうかなと思ったのがこの本を読んだ経緯。 平易な文章と分かりやすい例が多いのでサクッと読み終えてしまった。

学んだこと

  • インストラクションは「何らかの行動を引き出すための仕掛け」
  • インストラクションは次のような手順で設計する
    • 「誰に」「何を」「どこまで」「どのように教える」かを明確にする
    • 最終的な達成基準を明確にする
    • それを達成するための要素に分解して、何が足りないのかを明確にする
    • インストラクションを改善するための材料を適切に集めて継続的に改善する

メモ

インストラクションとは?

  • インストラクションとは何らかの行動を引き出すための仕掛け
  • うまく行動を引き出すインストラクションにはデザインがある
  • 指導がうまくいかないと 個人攻撃の罠 に陥ってる可能性がある
    • 原因を個人の能力、性格、やる気のせいにして問題解決へのアクションをとらなくなってしまう

インストラクションの鉄則

  • 鉄則1: 何を教えるのかをはっきりさせる
    • 標的行動: インストラクションで教えようとする行動
    • 目標分析: 標的行動を、知識、技能、遂行に分けて具体的な指導目標をつくること
      • 知識: 知っていること
      • 技能: できること
      • 遂行: 実際にすること
  • 鉄則2: 学びにコミットする
    • 教える = 学ぶではない
      • 典型的なスクールは教えることに責任はあるが学ぶことは保証していない
      • 学ぶ側のコミットがないと責任を持って教えることはできない
  • 鉄則3: 教える理由をはっきりさせる
    • 何のために何を教えようとしてるのか学び手に知らせる
    • 学び手の学習行動が動機づけられる
  • 鉄則4: 成功の基準をはっきりさせる
    • テスト問題を最初につくってしまうことで成功の基準をはっきりさせる
  • 鉄則5: 標的行動を見せてやらせて確認させる
    • 分かりやすく教えるためには以下のステップで進める
      • 標的行動を説明する/見せる
        • 「何を」「どこまで」「なぜ」「どのように」を伝える
      • 標的行動を行動させる/練習させる
      • 標的行動の習得を確認させる
  • 鉄則6: 意味ある行動を引き出す
    • 教えようとしてることについて判断が必要な行動を引き出す
  • 鉄則7: 引き出した行動はすぐに強化する
    • 学びを促進するためには引き出した行動をすぐに強化しなければならない
      • 行動の直後に褒めたり、正解であることを知らせる
      • 少しずつレベルをあげることで学習しやすくする
  • 鉄則8: 正答を教える
  • 鉄則9: 誤答を教える
    • 正当と誤答を組にして教えると分かりやすい
  • 鉄則10: スペックを明記する
    • 「誰に」「何を」「どこまで」「どのように教える」のか説明する
  • 鉄則11: 学び手を知る
    • 「誰に」を明確にする
      • どんな人か?
      • 何人くらいいるか?
      • どんなことを学びたがっているか?
      • どんな理由で学びたがっているか?
      • すでにどんなことを学習しているか?
      • まだどんなことを学習していないか?
    • インストラクションが始まった後も情報収集を続ける
      • 学ぶべきことを学んでいるか?
      • 難しすぎてつまづいていないか?
      • 簡単すぎて飽きてないか?
      • 教え手や教え方や教材などに不満を抱いていないか
  • 鉄則12: 学び手は常に正しい
    • 学び手が学べていないならその根本原因を掘り下げる
    • それを元にインストラクションをどう改善するかを考える
  • 鉄則13: 教え手を知る
  • 鉄則14: 学ばせて楽しませる
  • 鉄則15: 個人差に配慮する
  • 鉄則16:「分かりました」で安心しない
    • 皆、分かりましたと答える。
    • 分かったかどうかを判定する基準を作ってそれによって判断する
  • 鉄則17: 改善に役立つ評価をする
    • 教えたことを全て評価する

インストラクションのデザイン

  • インストラクションをつくる手順
    • 1: 準備段階: 誰に何をどこまで教えるかなどの基本スペックを決める
    • 2: 開発段階: 何を使ってどのように教え、どのように評価するかを決めて必要な教材などを用意
    • 3: 実施段階: 授業などを実施する
    • 4: 改善段階: インストラクションを評価して、教材や指導方法を改善する
  • ステップ1: 本当にインストラクションが必要ですか?
  • ステップ2: 問題の原因分析。しない・できないの原因は?
    • 知識の欠如? 技能の欠如? 動機付け?
  • ステップ3: 何を教えるか明らかにする - 複雑な課題を分解する
  • ステップ4: 何を教えるか明らかにする -職務分析で必要知識と技能を書き出す
  • ステップ5: 何を教えるか明らかにする -抽象的な表現を具体的な行動に書き下す
  • ステップ6: 学び手のプロフィールを作成する
  • ステップ7: どこからどこまで教えるのか?事後 テストをつくる
  • ステップ8: どこからどこまで教えるのか? - 標的行動までの道のりを書き出す
    • 標的行動を教えるための前提となる行動を下位行動と呼ぶ
  • ステップ9: どこからどこまで教えるのか? - 事前テストをつくる
    • 以下を調べることで適切なインストラクションを提供する
      • 先習行動がすでに学習されていること
      • 標的行動がまだ学習されていないこと
  • ステップ10: 教える内容を分析する
  • ステップ11: 説明のための教材を用意する
  • ステップ12: 練習のための教材を用意する
  • ステップ13: 改善に活かせる評価をする
  • ステップ14: 開発評価を行う
  • ステップ15: 性能評価を行う
  • ステップ16: 実地評価を行う

「経営者になるためのノート」を読んだ

経営者になるためのノート ([テキスト])

経営者になるためのノート ([テキスト])

「プロフェッショナルマネージャー」を読んだ - takus の記事でも言及していた、社内マネージャー研修の推薦図書になっているので、この本も読んで見た。ファーストリテイリング柳井正氏が経営について語った本。プロフェッショナルマネージャーに影響を受けたこともあってか、経営する中で得た教訓などを具体例とともに書いてあって読みやすい内容でした。

このノートに記載したことは、私自身が経営をやりながら、失敗というたくさんの授業料を払いながら、「やはりこういった考え、こういったやり方が大切だな」と感じ、実践の中で確信してきたことです。

総じると、使命感を元に高い目標をたてた上で、その成果を追求し、自分たちが本当によいと思うものをお客様に提供し続けて、周りとの信頼関係を高めていく、という、とても当たり前のことを愚直に続けていくことが大事で、そこに近道はなさそうな気がします。改めて言語化されたものを読んでみると、意識してできていることもあれば、全然できてないこともあり、定期的に立ち返りながら当たり前にできるようにしていきたいです。

以下、読書メモです。

経営者とは

  • 経営者とは「成果をあげる人」
    • 成果とは「約束したこと」
    • 周りにやると宣言したことに固執してそれをなんとしてもやり遂げる
    • それによって顧客、社会、株式市場、従業員から信頼されて会社が存在し続ける
  • 会社の使命と成果が結びついていること
    • 社会における自分たちの存在意義、使命に基づいたもの
    • 使命にはゴールがないけど、ゴールを目指して追いかけ続ける
      • 例: 「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」
  • 経営は「実行」
    • いいアイデアを考えても実行できなければ意味がない
    • 実行して成果を上げる上で必要な四つの力がある
      • 変革する力
      • 儲ける力
      • チームを作る力
      • 理想を追求する力

ということで、この 4 つの力についての説明が続きます。

変革する力

  • 目標を高く持つ
  • 基準を高く持ち、妥協とあきらめをしないで追求する
    • 絶対に妥協せずに「お客様にとって本当によい」と思える質の基準を追求する
    • 自分の物差しでなく。「世界で一番」の質の高さを目指す
      • 完璧を目指さずに成功するよりも、完璧を目指して失敗するほうがよい
  • リスクを恐れず実行し、失敗したらまた立ち向かう
    • 最初から安定志向で、安定成長してる会社は存在しない
    • リスクを恐れる必要はないが、リスクは計算する必要がある
    • リスクを取ってやると決めたことは一直線に結果が出るまでやりきる
  • 厳しく要求し、核心をついた質問をする
    • 出てきた答えが顧客の視点からみて足りなかったら厳しく要求する
    • もの分かりのいい上司からはイノベーションは生まれない
      • 部下の成長機会を奪っている
      • どうやって厳しい要求をするか?
        • 厳しく要求して本当にやってもらおうと思ったら、部下に「君だったらできる」と言ってあげることが必要
        • 厳しく要求してやってもらう以上は最終的な責任は上司が全部とるということを覚悟しておく
  • 自問自答する
    • 自分はできてるだなんて思わない
    • 常に危機感を持って行動する
    • お客様の一番厳しい目で、自分たちを見る
  • 上を目指して学び続ける
    • 自分のことに置き換えて学び、学んだことを実践し続ける

儲ける力

  • 商売の原点は「お客様のために」
  • 大切な三つのこと
    • お客様をビックリさせようと思わなくてはならない
      • お客様が欲しいと思ってるものを、お客様が想像もしない形で提供する
    • お客様の声は重要だが、その一枚上手をいこうとする
      • お客様はまだ見たことがない、体験したことがないものを求めている
      • 問題点やニーズを教えてもらい、そのプロである我々が一枚上手の解決策を掲示する
    • お客様には自分たちが本当にいいと思うのものを作って提供する
      • 自分がそれを偏愛できるかどうか、それに尽きる
  • 当たり前のことを地道にやる
    • 毎日を大切にする。目の前のお客様を大切にする。
    • 能力よりも習慣の問題であることが多い。
  • スピード実行
    • 対応が遅れたら会社にとって致命的ではないかという危機感をもってものごとをみる
    • 実行と報告の割合に気をつける。理想は実行が9で報告が1になるべき
    • 「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」
  • 現場、現物、現実
    • 頭の中だけで分かった気になるのは危険
      • 常に現実世界に向き合って指示をする必要がある
      • 一緒にその仕事をしながら分かることも多い
    • 自分で商売を回している実感が、結果や達成感につながり、仕事を面白くする
  • 集中する
    • 「これだ」という大切なものに経営資源を集中する
      • 最高の商売は一つの完成された商品だけで大量に売れるような商売をすること
      • 最も効率的で最も儲けを生み出す
    • お客様は自信がないものを見抜く力がある
      • 自信をもって最高基準のものを作ることに集中して、中途半端なことはやめる
    • やらなかったどうなるか考える
      • やらないことがリスクならやるべきだし、そうでなかったらやらなくてよい
    • パートナーやお金も信頼できるところに集中する
  • 本質的な課題解決ができる方法を常に考える
  • 準備する
    • 計画を作るときに、最も大切なことは成功のイメージ化
      • 自分が成功してるイメージをビジュアルとして持っている
      • 物語性のあるストーリーになるところまで考える
  • 成果に固執する
    • 最初の計画には必ずしも固執する必要がない

チームを作る力

  • 一人でできることなど、本当にたいしたことない
  • チームを勝利に導ける人がリーダー
  • 信頼関係を作ることが一番大事
  • 信頼関係を作るために大事なこと
    • 言行一致
      • あなたは、言ったこと、約束したこと、思ってることの最大の実践者ですか?
    • 首尾一貫
      • 信念、大切な価値観、追っかけているもの、こういったものが、ぶれない、変わらない
  • 本当に相手のためを思って部下と向き合う
    • 一番いいことを自分の経験や知識を総動員して考える
    • 時には「鬼となり仏となる」。それによって部下の未来を明るくするのがリーダーの仕事。
  • 目標はしつこく共有して一人一人の責任を明確にする
    • 最も大事なことは、このチームがいったいどのような成果を目指すのかを共有すること
      • 何度も何度もしつこく伝える
      • 一人一人の責任範囲を伝えて、「この仕事は誰の責任なのか」を明確にする
  • 任せて評価する
    • できるだけメンバーの意見を取り入れて仕事をする
    • 仕事の成果 = 能力 x モチベーションなのでそこに注意する
    • 失敗するなら小さく失敗して学習してもらう、将来の大きな失敗をしないように育てる
    • 任せたらそれについて評価する
  • 期待し、長所を活かす
    • とにかく期待する。高い成果を要求するなら、期待の気持ちをセットにする。
    • メンバーのことをよく見て、長所を活かして、期待する
  • 多様性を認める
  • 勝ちたいと誰よりも強く思い、自己変革を続ける
    • リーダー自身が先頭に立って挑戦することが重要
    • 仕事や人生に対して常に前のめりでいる。周りもそれに着いてきてもらう
  • リーダーが自分に課すべき 3 つのこと
    • 自分に自分が期待すること、自己変革すること、自己管理すること

理想を追求する力

  • 会社にとって一番大切なのは、使命感である
    • 長い期間、社会から優秀だと認められている会社はしっかりした使命感に基づいた経営が行われている
    • とにかく全ての活動の中心にこの使命感があるべき
  • 使命感がもたらしてくれるもの
    • 使命感は、責任に通じる
    • 使命感は、職業的良心に通じる
    • 使命感は、内発的動機を高めてくれる
    • 使命感は、あなたを「めげない人」に育ててくる
    • 使命感は、あなたのチームメンバーに「方向性」を与えてくれる
    • 使命感は、あなたのチームに「優秀な人材」をもたらす
    • 使命感は、あなたの会社が何者かを明確にしてくれる
    • 使命感は、あなたに「判断基準」を与える
  • 使命感を脅かすものと常に戦う

「プロフェッショナルマネージャー」を読んだ

プロフェッショナルマネジャー

プロフェッショナルマネジャー

「プロフェッショナルマネージャー」は、米国のコングロマリット ITT の CEO として 58 四半期連続増益を遂げた伝説の人物、ハロルド・ジェニーン氏の経営回想録。柳井正氏が経営の教科書としてしているらしく、巻末でも本書の解説をしています。

今年になってから、隔週で社内マネージャー研修というのを受けています。単に座学で何か学ぶというよりは現実に即した課題について考えてきた結果を元にマネージャー同士で議論するという形で進めていて、他の人の視点も聞けることで学びが多くよい会になっていて、なんとなく論文を輪読している感覚に近いです。

本書は、その研修の中で推薦図書になっている本ですが、読んだことがなかったので読んでみました。2004 年に発売されて、それ以前に執筆された本なので、 2018 年と違ってるところもあるけど、学びはたくさんある内容だったので、特に印象に残った部分をまとめます。

マネジメントの仕事とは?

本を読む時は、初めから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。

まず目標を設定して、そこから逆算しないと成果をあげられない。努力をしても、その努力の方向性が間違っていたら全てが無駄になってしまう。当たり前だけど、忘れないようにしないといけない。

ノーサプライズ経営

では、そのできる限りのこととは何かというと、 自ら意思決定を行いそれが間違いなく遂行されるようにすることであり、その成功の唯一の道は、会社の福利に影響を及ぼすあらゆる状況に関する事実を完全に把握すること といったことが書いてあった。

予期しなかった問題を発見し、それに対処するのが早ければ早いほど、解決するのはそれだけ容易になる。全てを発見できなくても 95% くらいを早期に対処できれば、残りの時間とエネルギーを網の目を漏れた、二、三の大きな問題の処理に向けることができよう

とあり、それを「ノー・サプライズ経営」と呼んで実践しているのはなるほどなと思った。

その、「ノー・サプライズ経営」をするための必須条件として、"本当の事実" をそれ以外のものから嗅ぎ分けながら、時には泥臭く情報を集めて整理する必要があると指摘しています。

この泥臭くの部分が重要で、ビジネスは人生と同様に活力に溢れた流動的なものであり、常に理路整然と整理された報告書だけがあがってくる世界ではあり得ないわけで、そのような一次情報から逃げずに、何が事実か?何が分かっていないか?を明らかにするために最大限の努力をすることが必要ですね。

さらに、この情報収集のためのシステムは ITT 社でも必ずしも最初から上手く行ったわけではなく、最初はあいまいで要領を得ない報告書に頭を悩まされ続けるところから、報告内容に何を期待するかをハッキリ述べたメモを配布して、地道にそのシステムを作り上げていったとのことで、自分自身のこの辺りの努力はまだまだ足りないと感じます。

自分が遭遇してる物事を深く見極めなくてはならない。それによって、周囲の人々がそれぞれの持ち場で有効に能力を発揮することを助け、各自の働きの単なる合計より大きな総合的成果を上げさせる。それがリーダーシップだ。

また、自分が遭遇してる物事の本質を深く見極めることで、周囲の人がそれぞれの持ち場で有効に能力を発揮しやすくなり、それらを統合したときにより成果をあげられるようにする、これがリーダーシップであると。納得。

マネジメントの良否

そのマネジメントの良否は、それが自ら設定した目標を達成するかどうかによって判定され、その目標が高ければ高いほど、良いマネジメントだと言える。

目標を設定して、それを達成するための情報収集と意思決定を繰り返して目標を達成することは基本だけど、その目標設定は高ければ高い方がよい。一方であまり現実感のない目標を設定しても意味がないので、 やはり OKR (Objective & Key Results) のガイドラインとしてよく言われている「達成が難しいかもしれない少し高めの目標」をおくのが大切なのでしょう。

やるべきこと、やるべきでないことを決め、やるべきことをやりきる

マネージャーの正規の執務時間は、おおむね他人のためのものだ。組織の中のだれかが彼と連絡をとる必要がある時には、いつでもそれに応じられなくてはならない。

若干ブラックっぽく聞こえるのだけど、まぁ、そういう部分はあるよなという印象。

真のリーダーで、どれほど高価につこうとも自分に課された宿題をやらない人間には、私は会ったことがない。本当に、ほかに道はないのだ。

みたいなことも書いてあった。それはその通りなのだけど、だからといって、なんでもかんでもがむしゃらにやってると疲弊していく一方なので、ちゃんとやるべきこと、やるべきでないことを定義して、やるべきになったことをやりきらないといけないですね。

さいごに

自分自身を、成功するに違いないマネージャーに仕立て上げるために、人生の多くの快適な面を放棄する決意と高邁な職業意識が自分にはあるだろうか?

正直なところ、全体的に意識高杉と思う部分も多いわけで、本書の話を参考にしつつやるべきことはちゃんとやるけど、もうちょっとゆるふわに仕事をしたいと思った。おわり。

「ALLIANCE : 人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用」を読んだ

ALLIANCE アライアンス―――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用

ALLIANCE アライアンス―――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用

リンクトイン創業者のリード・ホフマンが、個人と企業の関係性の新しい在り方について記した本。

「新しい雇用」といった主語が大きいタイトルはついてるものの、組織のミッションと個人の目標の整合性をうまく取りながら、個人にとっても企業にとってもメリットのある状態を作っていきたい経営者、人事担当者、マネージャーにとって有用な内容なのではないかと思いました。

雇用を「アライアンス」だと考える

本書の目的は、雇用を「取引」ではなく「関係」としてとらえるための枠組みを示すことにある。雇用を「アライアンス」だと考えてみよう。自立したプレーヤー同士が互いにメリットを得ようと、期間を明確に定めて結ぶ提携関係である。マネジャーと社員がお互いを信頼して相手に時間と労力を投入し、結果的に強いビジネスと優れたキャリアを手に入れる。「アライアンス」は、そのために必要な枠組みとなるのだ。

終身雇用を必ずしも保証できなくなっている企業、そういう時代背景から自分磨きに余念がなく自らをフリーエージェントだと捉えて良い機会があればいつでも転職する個人、お互いを信頼して背中を預け合うのが難しい時代背景の中で、企業と個人の双方が協力して互いにメリットを享受できる関係をつくる枠組みを「アライアンス」として紹介しています。

「アライアンス」は、個人と企業が「どのような価値を相手にもたらすか」に基づいてつくられるものなので、お互いが提供できるもの、手に入れたいものを提案し合い、合意していく必要があると書かれています。

考えてみると、そんなに新しい概念というわけでもなく、自分がこれまでの人生で 2 回の転職をする中でも、自分ができること、自分がやりたいこと、相手が期待してること、を摺り合わせた上で合意の上で転職をしていたりするので、自分の身の回りにおいては普通にやっていることのような気がしますね。

「アライアンス」を構築する方法

そのようなアライアンスをどのように構築していくのか?その真髄は、個人と企業が期限付きの「コミットメント」を設定した上で、双方が約束を守ることを繰り返すことで少しづつ関係を深めていくことにあるそうです。 その「コミットメント」は、

  • コミットメント期間の目標は?
  • そのコミットメント期間が成功した場合に、会社に何をもたらすのか?
  • そのコミットメント期間が成功した場合に、社員に何をもたらすのか?

といった形で言語化された上で、定期的に進捗を確認したりフィードバックをしあいながら、期間の終了が近づいたときには新たなコミットメントを設計していきます。これを繰り返すことで、双方が得たいメリットを享受しながら、信頼を構築していくことができます。

コミットメント期間は、あらかじめ期間が決まっている。これがピリリとした緊張感をもたらし、また、将来の関係を話し合うための納得できる時間軸ともなる。優秀な社員が、最初に決めたコミットメント期間を最後まで全うしようと思える、確たるよりどころにもなる。そして最も重要な点として、現実に根ざしたコミットメントであれば、双方とも誠実でいられる。これが信頼構築に不可欠なのだ。

働き方を「いくつものコミットメント期間の積み重ね」という形に位置づけ直して、定期的に将来の関係を話し合うことで、成長意欲のある優秀な人材を惹きつけ、自社で働き続けようと思って貰いやすくなるメリットがあると書いてありますが、これは個人と企業の関係に限らず、ビジネスにおいて最も基本といえる、約束したことを守ることを忠実にやっているように感じます。

このように、企業は個人と適切なコミットメント期間を定期的に設定していく必要がありますが、それをする上で、下記の言葉は心に留めておきたいなと思いました。

目指すべきは、会社と個人の目標をあらゆる面で完璧に一致させることではない。ある期間、一定の条件の下でのみ、自然な形で両者を揃える「整合性」を目指そう。

人それぞれ色々な価値観や目標を持って生きているわけで、画一的なことを言われて納得する人がいるわけもなく、このあたりはその人ごとに話をしながら考えていく必要があるわけで、だからマネージャーってのは、やり甲斐があるけど大変な仕事なんだよというのを、若かった頃の自分に教えてあげたいですね。

まとめ

組織として成果をあげていくための目標設定の枠組みとして OKR (Objectives & Key Results) というものがありますが、組織としてどうやって成果を出していくかにフォーカスがあたっている印象があります。 「OKR シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法」を読んだところ、OKR で組織として達成することと個人のキャリア成長をどうやって結びつけていくかについては片手落ちな感がありましたが、本書と合わせて読むことで足りない部分をお互いに補完して、企業にとっても個人にとってもよりよい関係を築く手助けになるのではないかと思いました。

「お母さんの敏感期―モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる」を読んだ

日本モンテッソーリ協会理事の相良敦子さんの著書で、子育てしているお母さんに役立つ、モンテッソーリ教育の教えや技術を紹介する本です。

子育ては何が正解か分からない中で、定期的に本を読んだりして学んだ上で納得感のあることを行動に反映するということをやっている中で、モンテッソーリ教育というキーワードは聞くものの、内容はよく分からなかったので、それを知るために読んでみました。

モンテッソーリ教育はひとことでいうなら「自律と自立を育てる教育」

「自律」と「自立」の定義は、色々とありますが、要するに 自分の頭でよく考えて、自分のからだをよく使い、周囲の人や物と安定した関係を維持しながら、自信を持って自分のやりたいことを追求していける力 を身につけることが大事なのではかなと自分は認識しました。

ブルームというアメリカの教育学者が、芸術と運動と自然科学の三つの領域で、世界のトップクラスになった人たちが、小さかったときどんな教育を受けたかを、大々的に調査研究しました。その中で「家庭と初期学習の役割」について興味深い報告があります。その人たちに共通している一つのことは、親たちが、家庭のいろいろな雑用や責任を小さいときから分担させたということです。四、五歳ごろから、日常生活において子どもに適切に責任をもたせて自律的に行動できるように何度もくり返して強調したというのです。その人たちはやがて特定の専門領域に興味をもち始めると、ベストを尽くすこと、しっかりやることなど、小さいときから家庭の中で親からいわれ、毎日繰り返し実行していたことが役に立って、ついに世界のトップレヴェルにいたるまでの訓練に耐えぬくことができたのだそうです。

そうした力を身につける上で、小さいときから適切な責任を持たせて自律的に行動できるようにすることが非常に大事で、日常生活でのそうした小さな積み重ねが成長するに従って大きな差となって現れるのかなと感じます。

幼い子供には「敏感期」という大切な時期がある

幼い子供には、一定のことに関する感受性が高くなる時期があり、 これを知ることで、子育てが「楽しくてたまらない」か「つまらないか」分かれるとのことでした。具体的には、

  • 秩序観の敏感期
  • 感覚の敏感期
  • 運動の敏感期

といったものがあり、ある対象に敏感になる中で、環境から必要なモノを吸収して、自分を創っていくようで、親はそうした敏感期があることを認識した上で子供の成長の手助けをしていく必要がありそうです。

で、手助けをするための具体的なテクニックの一つとして、 子どもができるようになる教え方モンテッソーリ教育では「掲示」と呼ぶそうです)が紹介されてました。

  • 対象を一つだけ取り出す。
  • 動作を分析し、順序立てる。
  • むずかしいところを、ハッキリさせる。
  • 動作を見せる間は、言葉を使わない。
  • 正確に実行し、精密なところに心をこめる。
  • 教えながら教える。
  • 自分からする自由を与える。

子供に寄りそって様々なことをちょっとづつ習得する中でできることを増やし、日常生活の中で責任を持たせて自律的な行動を促していくというのは、マネジメントに似てる部分もあるので、今後も継続して子育て本は読んでいきたいと思いました。何かオススメ本があれば教えて下さい。

「Powerful - Building a Culture of Freedom and Responsibility 」を読んだ

Powerful: Building a Culture of Freedom and Responsibility

Powerful: Building a Culture of Freedom and Responsibility

Netflix の元 Chief Talent Officer である Patty McCord 氏が Netflix での経験をベースにして、High-Performance Culture を作っていくために必要なことについて記した本です。

This book is not a memoir of the building of Netflix. It is a guide to building a high-performance culture that can meet the challenges of today's rapid pace of change in business, written for team leaders at all levels.

前職で SRE をやってたときのインタビュー記事 でも Netflix について言及したことがありますが、個人的に Netflix"Freedom & Responsibility" という文化がとても気に入っています。SRECon '16 に参加して Netflix の SRE と話をしたときにも、その文化を最大限に尊重してエンジニアリングしていることにとても感銘を受けました。そのような組織文化がどのように作られ、維持されているかに興味があったので読んでみました。 自分の中では Radical Honesty というフレーズが特に印象深く残っていて、周りに敬意を持った上で率直に真実を話せるようにすることで、率直なフィードバックを送り合えるようになり、目指すべき目標や組織文化に向かって前進し続けることが可能になるのではないかと思いました。

社内でも、マネージャー同士で、大人数で話をするプレゼンの良かった点や悪かった点をフィードバックし合う仕組みを試験的に回していて、他者からの率直なフィードバックは役に立つことが多いなと思っていたりして、そんなフィードバックを贈りあえる関係を社内だけでなく、社内を超えたステークホルダーに広げていくにはどうするのがいいのか、考えさせられる本でした。

以下、本文の抜粋とメモです。ここで引用した内容以外にも、全社員が自社のビジネスについてちゃんと理解すべきという話や、待遇に関する考え方や、採用に関する考え方なども面白かったので、変化の激しいこの時代に強い組織を作っていきたいと思ってるマネージャーや HR の方に特にオススメです。

Freedom & Responsibility

One thing I can promise you about the process of building your own culture of freedom and responsibility is that you will be heartened by how people step up. When people feel that they have more power, more control over their careers, they feel more confidence - confidence to speak up more, to take more risks, to pick themselves up again when they make mistakes, and to take on more and more responsibility.

自分たちには力があって、自身のキャリアをコントロールできると感じることで、リスクを取ったり責任を引き受けることにより大きな自信を感じるようになると。 これは自分自身が今まで働いてきて思ってることと同じで、目指す目標が自分がコントロールできない要因によって阻害されはじめると、自信を持って仕事をするのが難しくなり、責任を引き受けようと思う気持ちがだんだん薄れていくような気がします。

Keep reminding yourself that people have power. It's not your job to give it to them. Appreciate their power, unleash it from hidebound policies, approvals, and procedures, and trust me, they will be powerful.

そうした力は誰かに与えられるものでなく、人々が自然に持っているものであり、それを引き出すために不要な承認フローや手続きを組織として取り除くことが大切なわけです。

Radical Honesty

本書の中で何度か出てくるこのフレーズは、凄く印象に残ったことの一つでした。

One of the most important insights anyone in business can have is that it's not cruel to tell people the truth respectfully and honestly. To the contrary, being transparent and telling people what they need to hear is the only way to ensure they both trust you and understand you.

相手に敬意を持って率直に真実を語るというのは、言うは易く行うは難しで、特にネガティブなフィードバックをすることは自分はとても苦手です。

Openly sharing criticism was one of the hardest parts of the Netflix culture for new employees to get used to, but most quickly came to appreciate how valuable the openness was.

Netflix に入社した人も、最初は批判をオープンに共有することに戸惑うようですが、組織文化として皆が実践する中で、自然とそれに慣れていくようです。

One was to conduct an exercise we called "Start, Stop, Continue" in our team meetings. In this drill, each person tells a colleague one thing they should start doing, one thing they should stop doing, and one thing they're doing really well and should keep doing.

その取り組みの 1 つに、"はじめること、やめること、続けること" というエクササイズが紹介されていて、これは普通に面白い取り組みなので、どこかで取り入れてみたいと思いました。

The most important thing about giving feedback is that it must be about behavior, rather than some essentializing characterization of a person, like "You're unfocused." It also must be actionable. The person receiving it has to understand the specific changes in their actions that are being requested.

また、フィードバックの方法についても言及があり、それは具体的な行動に関するもので、行動の変化を促すものでなければならないと。この辺りは意識はしてるものの、なかなか難しかったりするので、引き出しを増やしていかないとなと。

Debate Vigorously

議論に関するトピックも、事実をベースに議論するという当たり前のことが書いてあるわけですが、議論が白熱するとついつい主観が入りがちになることもあるので気をつけたいなと。

Opinions aren't helpful unless the people who hold them are willing to take a stand in their defense by making a fact-based case.

事実を元にポジションを取ろうとしない意見は役に立たないと。当たり前ですね。

we taught people to ask, "How do you know that's true?" Or my favorite variant, "Can you help me understand what leads you to believe that's true?"

事実を元にした意見に思えない時に利用できそうな質問集。これは役に立ちそう。

Debates among smaller groups are often best because everyone feels freer to contribute – and it's more noticeable if they don't. Smaller groups also aren't as prone to groupthink as large groups are.

あとは議論の Tips として、少人数の方が貢献しやすいし、集団思考を避けやすいよという話も紹介されてました。